2010年 02月 20日
2・10団交報告(下)
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「秘書は女性に向いている仕事」????
非常勤職員が女性に偏っている現状は間接差別であり、京大が進める男女共同参画の理念と矛盾するのではないかと追及した。途中、人事担当である理事から驚くべき発言が…。
ハラスメントの危険性
理由のない首切りである5年条項を残した再雇用が、まさにその理由のなさによってセクハラ、パワハラの温床となる危険性を指摘した。しかし理事は「あってはならないこと」と繰り返すばかりだった。
「メッセージで首切ってんじゃねえよ!」
理由なき解雇は「業務の見直しをきっちりやれ」という、部局へのメッセージだった。
なんで首を切ってまた雇うのか
今回のおかしな再雇用案は「一律5年でくび」が現場の実情と合っていない、不当なルールであることを示している。
均等待遇に向けて
正規/非正規の均等待遇を求める。非常勤という身分差別が、5年条項によってますます強化されようとしているが、まずは撤廃、そして公平に痛みを分かち合うことが必要だ。
非常勤職員が女性に偏っている現状は間接差別であり、京大が進める男女共同参画の理念と矛盾するのではないかと追及した。途中、人事担当である理事から驚くべき発言が…。
組合員D 法人化前に、非常勤で図書館の土曜開館の仕事をしてたんですけど、やっていてかなり責任の重い仕事だなっていうのは毎週感じてました。常勤の方とほとんど会う機会もなくて、図書館というのは大学の仕事の中でもかなり重要なサービスですよね。学生だけじゃなく市民も閲覧に来ますし、そういう業務に対して非常勤職員だけで土曜日回すっていうのはどうなのかなっていうのはずっと考えてたんですね。
今回私がお話ししたいのは、非常勤職員は以前は99%が女性だったんですね。それが最近になって男性が増えてきていますが、85%が女性だって聞いています。非常勤職員っていうのは大学の中でいちばん下層の労働条件ですよね。そこに女性が多くて、もっと労働条件が上がっていく、教員だったら助教、講師、准教授、教授と上がっていくにつれて男性が多くなっているわけですよね。
B そちらも全員男性ですしね。
D こういう状況が国際的には「間接差別」っていう言葉で批判されている問題なんですけども、この言葉、塩田理事はご存知ですか。
塩田 ぼくは初代の女性研究者支援センター長なんでね。
B ご存知だっていうことですね。
D ご存知だとしたら、京都大学が間接差別を体現してしまっているということになりますけれども、その事態について認識は。
塩田 えーと、その85%っていうのは何のデータ? ぼくが理解してる話では、最近は時間雇用職員、ポスドクなんかが男性の方がどんどん増えている。女性のほうが非常に多いということはないと。
D どちらにしても女性のほうが多くなっているという、そういう事態についてはどのように評価されてますか。
塩田 いえ、女性だから非常勤、時間雇用になってるってことはない。
D 間接差別っていうのは、結果として女性が雇用条件の悪いところに多い、そういう状態のことを…。
塩田 だからね、実際には女性がそれだけ多いってことは、ぼくは認識してない。
D それでしたら次回で結構ですので、京大の教職員全体のジェンダーバランスの位階別、研究科別のデータを教えて頂けますか。
B こちらは85と思ってる。そちらが違うというんなら調べて頂いて。
岸本 その数字はどっから…。
塩田 85っていうのは非常に極端なんで。
D いや、でも法人化前は99%でしたよ。
B 私らのほうは毎日ビラ配ってるんでね。実感として、多いのは間違いないと思いますよ。
A 塩田理事の秘書さんとかは女性じゃないんですか。
塩田 女性です。
A だいたい理系の秘書さん、みんな女性の方が多いですよね。
塩田 まあ、秘書業務ってのは男性より女性に向きますからね。
全員 (エーッ)
A どういう意味ですか。
塩田 秘書業務というのは、男性より女性のほうが適しているとぼくは思ってる。われわれとの仕事関係でね…アメリカなんかは男性のセキュレタリたくさんいますよ。だけど日本はそういう風土じゃないでしょ。だから男性の人がそういうことをやってくれる人があんまりいない。
D じゃ日本では、男性は秘書は向かないと。
塩田 向かないというわけじゃなくて…。
岸本 秘書業務に男性の応募が少ない。
塩田 そうそう、秘書業務に…。
D 塩田理事は女性研究者支援センターの長であったそうですが、京大は文科省の女性研究者支援プランも採択されてますし、センターも作って頑張っていらっしゃるわけですけども、そういう中で非常勤職員は支援の対象に入ってないんでしょうか。
塩田 あそこは女性研究者なんでね。
D 研究者だけ支援しとけばいいってことですか。
塩田 いえいえ、男女共同参画やってますよ。
D だからその男女共同参画の中で、女性職員はどのような位置におかれてますか。
塩田 そりゃ平等でしょ、男性と。
D じゃそうしますと、平等であるはずの女性職員が、非常勤になると5年で首切られてしまうわけですけれども。
塩田 いやいや、女性だから切ってるっていうことはない。
D いや結果として、間接差別っていう概念について…。
B なんかズレてる、理解されてないんじゃないかという気がするけど。
塩田 だけどさっきのね、男女の比率とかいうのは、実際にはそういうリレイトしてないと、85%ということはないと。
ハラスメントの危険性
理由のない首切りである5年条項を残した再雇用が、まさにその理由のなさによってセクハラ、パワハラの温床となる危険性を指摘した。しかし理事は「あってはならないこと」と繰り返すばかりだった。
D 女性はほとんどが非常勤、いまは派遣で、家に帰ると今度は家事、子育てをしなきゃいけなくって、総労働時間を見ると、男性の1.5倍から2倍近く毎日働いてるっていう調査も、男女共同参画の政府の調査であったと思うんです。女性が30代、40代ですよね。新たに仕事を探す、すごく苦しいことですよ。学歴があってもキャリアがあっても、中高年の女性を雇う企業なんてほんとにないです。そうすると派遣とかパートをすることになって、また1年2年ごとで首切りの目に遭って、そういうふうに延々と女性の問題が繰り返されていくわけです。
京大は女性研究者支援センターっていうのを作りましたし、一部では優秀な女性研究者もどんどん採用してると思うんですよね。その一方で、女性の非常勤職員を5年で首切りっていうのはあまりにもひどい話ですので、たとえば国連の女性差別撤廃委員会とかに持っていく手もあると思うんですよ。そうすると京都大学の名前が国際的に低い評価になってしまって、いま京大が目指しているグローバルなトップレベルの大学っていうところには大きな汚点がついてしまうと思うんですけれども、そのへんについては。
塩田 女性が重要だっていうことはまったく私も同感です。それとね、さっきから言ってるように、これは女性をターゲットにしたものでもないし、女性だから5年で切るということではない。それはお分かりですね。
E さっきの間接差別っていう言葉の意味、ご存知ですか。
塩田 5年例外規定を作ったという中で、部局のいろんな方から、中には引き続き雇いたい方も、候補者として検討したいということがあったので、そういう道を開いたと。
D その5年例外規定がですね、また女性の立場からするとすごく苦しいところで、それまでは5年で全員クビだったのが、また再雇用できるよってことになると、雇われる側は立場弱いですし、上司の男性に気に入られなくてはいけないという心理態勢にどうしてもなってしまう。それがセクハラの温床なんですよ。
京都大学の歴史の中で、汚点のひとつとして矢野事件があるわけですけども、レイプやセクハラの対象になったのは非常勤の女性だったんですよね。その矢野事件がもとでキャンパスセクハラの対策を全国的にしなければいけなくなって、文科省も取り組むようになったっていう歴史もありますので、またこれ以上セクハラの温床になるような制度は決して作っちゃいけないと思うんですけども。
塩田 例外規定を作ったから、そういうハラスメントが起こるというふうには考えてない。
D それはどういう根拠でおっしゃってますか。
塩田 そういうことはあってはいけない、とわれわれ思ってますから。
D あってはいけないということを言うだけでは、ほんとに解決しないですよね。
塩田 これは個人が雇うもんではないと。部局でちゃんと透明な選考をしてやってください、ということをきちっと書いてある。
D それは当然そうなんですけれども、役職のない個人だったら誰かを雇うことはできないので、地位があり人事権を持ってる人がいるわけじゃないですか。そこで雇われる対象がいて、だからハラスメントが生じるわけなんで。
塩田 ちょっとそれはね、個別あるいは仮定の問題で議論することはなかなか難しい。
D じゃ逆に聞きますけれど、非常勤職員にセクハラが起こった場合にどのような対策をとりますか。
塩田 それは厳正にやらないといけない。非常勤だから常勤だからということはない。
D たとえば5年条項が背景に、あと数ヵ月で首を切られるかもしれない、再雇用されるかもしれないから嫌だとも言えなかったっていう、そういう可能性は大いにあるわけですけれども。
塩田 いや、そういうのは起こってはならないと思います。
D 起こってはならないんだったら、じゃあ起こさないように5年条項廃止してほしいんですよ。
塩田 いや、そういう理屈にはならないでしょ。
D ハラスメントが起こりやすくなる可能性は認めないわけですか。
塩田 そういうもんではないと思う。
B 有期雇用自体がハラスメントを起こしやすいってことは、まずあるんですけれども、この見直し案の場合は、理由がなく5年で首になるわけです。ふつうならば何か理由があって採用されないんだけれど、理由がないブラックボックス的な見直し案であれば、事実上、上司にどう思われるかってことが非常に出てきてしまう。まさに5年条項の理由のなさが恣意的な…。
塩田 だから公募して選考するということが、そういう恣意的なものになってはいけないということをわれわれは…。
A 実際どうするつもりなんですか。部局の透明な選考っていうのは、具体的にはどういう制度ですか。
塩田 それは各部局で考えてくださいとね。
A 各部局で考える?
塩田 ちゃんと公募という条件で、その条件に合った人をきちんと客観的な基準でやってくださいという。
岸本 (理事に耳打ち)
塩田 あ、そうそう、ちょっと言い忘れたのは、どういう人を雇うかっていうのは、報告を求めるってことが書いてある。
A 報告を求めるのがいままでと違うところなんですか。じゃ、別に選考する人はいままでと変わらないってことですよね。
「メッセージで首切ってんじゃねえよ!」
理由なき解雇は「業務の見直しをきっちりやれ」という、部局へのメッセージだった。
C 5年間でオートマチックに雇い止めになってしまうと。つまり、わざわざコストが発生するわけですよね。5年で切って、また公募をかけて、蓄積されたスキルを放擲して、新人教育もしなければならない。そういうコストパフォーマンスみたいなものは計算されてるんですか。
塩田 だからそれはね、コストと、やっぱり法的なもの、それから業務の見直し、そういうものとのバランスで。
C 逆に無駄が生じる恐れがあるとわれわれは考えてるんですよね。
B それと先ほど言ったハラスメントの危険が増すと。
A 非常に問題の多い制度だと思いますが。
塩田 逆にずーっと雇い続けるというのもいろんな問題がある。
A どういう問題が起こると。
塩田 判例の問題とかね。
A 判例の問題なんですか。じゃあ期待権の話ですね。
塩田 あと業務の見直しとかね。業務の見直しもやっぱり定期的に。
B それはもちろんやってもらって。
C だから業務の見直しと5年で首切りは直接関係ないでしょ。
塩田 だからそこできっちりやってくださいというメッセージなんですよ。
F メッセージで首切ってんじゃねえよ!
なんで首を切ってまた雇うのか
今回のおかしな再雇用案は「一律5年でくび」が現場の実情と合っていない、不当なルールであることを示している。
C 従業員が何の落ち度もなく解雇されたと。その後にたとえばハローワークに求人を出したりするのは違法であると考えられているんですよね。能力があってそのまま仕事をしてもらったほうが助かる人をわざわざ自動的に首を切って、また公募をかけるなんていうのは、どう考えても公序良俗に反してるんですよ。
B まあ、ふつうに考えておかしいからねえ。
D そもそも5年条項だけだったのを、多少変えて、運用で弾力的にってしたわけですよね。それ変えた理由は何ですか。
塩田 それはね、5年たったら全員そこで続けてもらえない。それから1年間空けないといけないっていう。ですから、現場の要望なんかもありましてね、この業務がやはり必要だという場合は、そこでもういちど公募して…。
D 5年だけっていうのが現場の実情に合っていないって認めたってことですよね。
塩田 それは業務ごとに判断する必要があるわけですから。
D じゃやっぱり現場の実情に合わせる必要があると反省したわけですよね。
塩田 だから公募という形の中でやってる。
D それでいいと思うんですよ。5年条項なしで現場の判断でやっていくって、それじゃどうしていけないんですか。
塩田 それこそ恣意的になってしまう。
B いや、そっちは恣意的じゃないですよ。
塩田 だからといって全員をまた雇うということもできない。
B それはもちろん。全員雇うのが義務ってのと、全員首を切るっていうのはね、やっぱだいぶ違うんですよ。それ分かってない。
D それだったら5年じゃなくていいと思いますよ。
塩田 だけど、何年にするかというのはどっかで決めないといけない。
D そもそも1年雇用なんですから、それだけでいいんじゃないですか。5年条項なしで1年の有期契約でいいと思うんです。
C そうそう。従来の雇用慣行を守ればいい。
B いま、何年か決めなきゃいけないって言いましたよね。それはどうしてなんですか。
塩田 1年ごとで永続的にずーっといつまでもね、1年契約を続けていくというのはね、やっぱり仕事の見直し、それからそういう状況でずっと働いてもらうということがいいかどうかね。
A そりゃ本来は正社員にすべきですよ。
B 働く側のほうでも、ここでずっと働くのはどうなのかなってのは考えながらしてますよね。
均等待遇に向けて
正規/非正規の均等待遇を求める。非常勤という身分差別が、5年条項によってますます強化されようとしているが、まずは撤廃、そして公平に痛みを分かち合うことが必要だ。
D 期待権というのは、裁判所がさすがに非常勤を何年も、5年も10年も同じとこで使うのは良くない、非人間的だから正社員に任用したほうがいいよっていう話だと思うんですよ。それをほんとに考えるんでしたら、5年条項はまず廃止して、非正規の有期雇用が仕方ないとしても、せめて均等待遇に近づけるべきですよ。そうすれば男女のワークライフバランスも守れますし、いまちょっと家の仕事や子育てに専念していても、また働き続けたいと多くの女性は願っているわけです。そこで臨時職員の時給をちょっとでもアップする、ボーナスを与えるように努力する、そういう方向にどうしていけないですかね。
塩田 それはね、考え方としては正しいと思うけどもね、やはり予算の問題とかね。
D でも、さっき黒字を出してるって話もありましたし、ほんとにひどい場合は人件費をもっと均等にバランスとる形で、年齢が高い男性の教授からちょっとでも非常勤に回すとかですね。
塩田 待遇改善てのは、やっぱり将来的には考えないといけない。だけどそれはね、財源の問題とかがあるわけで。
D 将来的に考えて頂くとして、まず5年条項は廃止する方向で検討してもらえないですか。
B あのね、たぶん5年条項を廃止してもなんも困らない。ぼくはそう思います。
C 予算がない予算がないって、結局はいちばん立場の弱い人が痛みを全部引き受けるような形になってるわけですよ。たとえば広島電鉄なんかは、正社員の賃金を下げて、臨時職員を全部正社員化したわけですよね。総予算の中でみんなが痛みを分け合うような、そういう方向性ってのは打ち出せないんですか。
B そういうことやっていったらね、さすが京都大学ってことになりますよ。
塩田 それはね、われわれの立場としては、運営費交付金が、減るどころかね、増やしてほしいと思ってる。
A じゃ一緒にデモしましょうよ、文科省に。
塩田 日本の高等教育予算というのはOECDで最下位だからね。それはもうまったく国の政策がまちがってる。
A あとね、5年条項で実際に首切られる人がいたらぼくら集団訴訟しますよ。一部でも例外規定を設けたってことは、明らかにもう期待権は発生するんですよ。裁判やったら大学、絶対負けますよ、こんなの。5年条項は撤廃されたも同じことなんです。法的にはね。来年、再来年、次の年、訴訟がバンバン起こってね、こんな面倒な条項、撤廃したほうがいいってなるのは確実なんですよ。だからいまのうちに撤廃したほうがいいし、実際、合理的な理由さえあれば首は切れる。6年目でも10年目でも。一律に5年で首を切るような不合理なことは裁判所は認めないっていうことなんですよ。
B そっちのほうがヤバい、5年条項のほうが。
A だから5年条項をどうしても守り続けることには合理性がないんですよ。どうですか理事。それでも5年条項は残すんですか。
塩田 それはいまあなたが言ったことと別の話ですね。5年条項をこういうふうにやりますっていうのは、最初説明したとおり。
by unionextasy
| 2010-02-20 09:01
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