2010年 02月 20日
2・10団交報告(上)
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5年条項は何のため?
5年条項は一体何のためにあるのか。塩田理事にこの問いをぶつけると、「お金がない」「非常勤の仕事は臨時的」という言葉が返ってきた。
期待権は発生しない?
前任者の大西珠枝理事は「5年条項は期待権の発生を防ぐためにある」と発言した。つまり、いつでも首を切れるようにしたいという、あからさまな脱法宣言である。塩田理事もこの発言を踏襲するのか問いただした。
「業務の見直しが必要だから5年でくび」??
非常勤職員の仕事の多くは恒常的な業務。しかし大学は、それは臨時的業務であるという建前なのでつねに見直す必要があるという。
学内登用試験について
正職員への登用試験は狭き門。それまでの実績やスキルが採用に反映されないのはおかしいと主張した。
非正規の実態調査を!
5年条項を押しつける前に、まずは現場の労働環境や生活実態について詳しい調査を行うべきであると要求。
5年条項は一体何のためにあるのか。塩田理事にこの問いをぶつけると、「お金がない」「非常勤の仕事は臨時的」という言葉が返ってきた。
組合員A 5年条項の存在理由についてお答えして頂きたい。
塩田(人事担当理事) 16年に法人化して、国家公務員法から労働基準法に適用が変わった。運営費交付金が年々削減され、それから総人件費改革というのがあって、人件費を抑制しないといけない。そこで常勤職員について年々定員削減してきたと。大学全体の予算も年1%カット、それに対応して業務の効率化、アウトソーシングを含めた人件費の削減を進めてますが、やはり大学の業務がどんどん増えてるということもあって、定型的な業務あるいは臨時的に必要な業務を、一定期間限ってやって頂くことを目的にして非常勤職員の方に来て頂いてる。そういうことです。
今回5年を迎えるにあたって、全員が5年で雇い止めになるということをどうするか議論したんですが、基本的に5年条項は堅持するとした上で、部局運営や教育研究活動の円滑な遂行に資するため、部局が特に必要であると判断した業務について、新たに公募で非常勤の方にやってもらうことが可能である。その時に、いままでその職をやってた方も、公募に応じることができる。引き続き雇うということは約束するものではありません。
広くこの業務に非常勤職員を雇いますという公募をした上で、他の候補者との比較で厳密に選考をして、もしそのAさんが最適任であるという判断をされた場合は、部局の判断で雇ってもらうことが可能であると決めたわけです。ですから5年を撤廃したという形ではなくて、例外的に業務が必要な場合には、次の候補者になることができる。そういう意味です。
組合員B この間、常勤職員の定員の削減を進めてきた。あとアウトソーシングも進めてきたと。
塩田 大学の予算がどんどん削減されてくるのでね。
A でも、いちおう民主党は1%ずつ削減してきた方針は見直しするんじゃないですか。社会情勢が変わってきたんじゃないですか。
塩田 いやいや1.8%来年度削減される。
A それは通用しないんじゃないですか。実際、京都大学はいま黒字で文科省からほめられてるじゃないですか。京都大学は62億総利益があって、財政状況は全国でトップレベルじゃないんですか。
塩田 それはね、いろいろ目的積立金というものを作って、たとえば桂移転をするわけで、数十億円かかるわけですね。それを大学の予算でやらないといけない。そういうことは計画的にやってる。
B 業務量が増えてきて、定員は削減しているという実態がある。
塩田 だからね、定員で出来ない定型的な仕事を非常勤の方にやってもらっているという実態はあります。
組合員C ぼくは技術補佐員として遠隔地の施設でお世話になっていました。そこは非常勤職員が3人ぐらい常駐しているんですが、常勤の職員はひとりもいない。施設長も週に1回ぐらいしか出勤しない。ですから事実上、日常の業務というのは非常勤職員だけで回しているという実情があったわけですよね。ですから、非常勤職員が臨時的で補助的であるというカテゴライズはちょっと受け入れがたいものがあるのですが。
塩田 大学は、以前は公務員だったから、いわゆる座布団というものがある。その中でずっと以前から非常勤職員がいたわけです。定員だけではやれないということがいろいろあって、われわれ教員はつねに増員を要求してきた。そういう中でポスドクの人なんかに気の毒な状態が多々ある。それはわれわれがつねに国に対して言っていることです。
職員についても、ほんとは意欲のある人は定員に就いてもらうことが理想なんですよね。国が定員、人件費を削っているということで、実際には増やせられない。そこでやむを得ず、非常勤職員という形で仕事してもらってるということが現実としてある。
A なぜ5年条項かっていう時に、要するにお金がないし、いわゆる臨時的な業務に非常勤を充ててきたと。そういうことですか。
塩田 お金がないということは、ひとつの理由。それ以上に、要は原則として臨時的な業務で…そういうことをずっと続けて頂くってのは、やっぱりあんまり良くないと。
期待権は発生しない?
前任者の大西珠枝理事は「5年条項は期待権の発生を防ぐためにある」と発言した。つまり、いつでも首を切れるようにしたいという、あからさまな脱法宣言である。塩田理事もこの発言を踏襲するのか問いただした。
A じゃあ大西さんが言ってた解雇規制法理を防ぐためっていう説明はどうなんですか。あれは一体何だったんですか。
塩田 彼女がどういうつもりで言ってたかは、ぼくはちょっと分からない。
A それについてどう思われるんですか。
塩田 私は直接、彼女から聞いてないから。
B それは職員組合との団交の席で…。
塩田 だからまあ、今回の大学の立場っていうのはさっき説明した通り。
A 期待権の話はどうなるんですか。
塩田 期待権? ああ、期待権というのはね、これはさっき説明した通りで、5年で終わりますよと。
A じゃあ期待権は発生しないと?
塩田 うん。とわれわれは思ってる。
A 中村(和雄)弁護士に聞いたらこれは明らかに期待権、発生するだろうとおっしゃってましたけど。そのへんは法律的な…。
岸本(総務部長) そういう考えがあることは知ってます。ただ、われわれはそうは考えてない。
B ここは大事なんですけど、じゃあ去年の大西さんが発言した、期待権の発生を防ぐために5年条項があるんだっていうことについては踏襲されてるってことですか。
塩田 そのことだけでなくてね…。
A いや、「だけでなくて」じゃなくて、そのことを聞いてるんですよ。いまあなた期待権は発生しないって言ってるわけでしょ。だとしたら期待権を発生させないために5年条項はあるんじゃないんですか。
B そこのとこをはっきり言って頂かないと。何のために5年条項はあるのかと、前回大西さんの説明がどうなったのかと。それについて私たち1年間考えてきたんですよ。
塩田 だからさっき言ったように5年を超えるとそういうこともあると。17年当時の学内で議論して、当時3年だったのを、だいたい学内の意見で5年にしたということで。
A なんで5年が適当だと?
塩田 それは知ってるように、当時の判例ですね。
A 判例を検討して5年と。
塩田 判例も、ひとつの要素として。
B 大西理事の去年の発言は踏襲してるってことでいいんですか。
塩田 そのね、5年を超えても働けますよということでね、全員の方に期待権が発生するけども、今回そうじゃないので。
A でも期待権の発生っていうのは、他の人が採用されてたら自分も期待する権利があるよっていう。
塩田 いや、選考を受けて、雇われる可能性があるというだけで…。
A 可能性があるだけでもう期待権は発生してるんですよ。期待権というのは、文字通り、期待する権利なんですよ。
塩田 まあ、期待権という言葉の解釈です。
B じゃあ基本的には大西理事の考えを引き継いで、5年条項を残しているってことでいいんですか。
A 大学は期待権発生したら困るわけでしょ。だからわざわざ公募って言ってるんじゃ。
塩田 期待権、発生しないようにという。
A しないようにということですね。はい、わかりました。
「業務の見直しが必要だから5年でくび」??
非常勤職員の仕事の多くは恒常的な業務。しかし大学は、それは臨時的業務であるという建前なのでつねに見直す必要があるという。
塩田 もうひとつはさっき言ったようにね、業務を見直すということもわれわれは大切だと。雇う側の先生らに対してね、その業務が本当に必要なんですかと、考えてくださいと。
A でも理事、おかしいんですけど、業務を5年ごとに見直すのは別にいいんですよ。中期計画とかで見直したりするじゃないですか。でもそれと首にすることとは何の関係もないですよね。
塩田 でもその業務に従事してた方が、その業務がなくなったら…。
A でも実際、業務なくならないですよね。ほとんど。
塩田 いやだから、いままで通り必要かどうかをそこで。
A でもね、あなた、この内部文書の中で「1年ごとの見直しがちゃんと出来ていなかった」ってはっきり書いてるじゃないですか。
塩田 いや、出来てなかったではなくてね、2年目なり3年目なり、そう厳密にやってないところがある。いちおう5年目はきっちりやってほしい。
A 厳密にはやってなかった。だから5年目でやる。
塩田 そう。
A 厳密にやってこなかったっていうのは業務が恒常的だったからじゃないですか。臨時的だったら毎年見直し…。
塩田 毎年見直してる。年度末には、各雇ってるところに次4月から雇いますかということを全員に対して、毎年3月そういう問い合わせをしている。それで本人にも説明してもらってるはず。
A 全員にやってるって言ってるけど、「更新時の評価に部局によってバラツキがあり、ややもするとほとんど5年間評価せずに更新が繰り返されてる場合もある」って、ここにはっきり書いてあるじゃないですか。
岸本 それは個人評価のこと。
C 個人評価っていうのは常勤の職員の方や教員についてもされてるんですか。客観的な基準については明らかにされているんですか。
岸本 勤務評定というのがある。
C 仮にされているとしても、首のすげ替えを非常勤職員だけが強制されるのは、あまりに不平等で、不公平感を感じるんですよね。
塩田 そのあたりはね、雇っている方もある程度認識しておられるので、そう簡単にね、5年で首ってことはしてないと。
C いやいや、オートマチックに切れちゃうわけですよね。そこに整合性ないとぼく思うんですけど。
B 評価することと一律で首にするってことはどうもつながらないんです。
塩田 5年の問題と個人の能力とはまたちょっと違う問題。まあ、意欲があって能力もある方は登用試験という方法もあると。
学内登用試験について
正職員への登用試験は狭き門。それまでの実績やスキルが採用に反映されないのはおかしいと主張した。
C でも、登用試験ですくい上げられる人の数は、あまりにも比率として低いですよね。
(※例年、受験者150人程度に対して合格者は2、3人)
塩田 それは結果であってね。別に厳しい試験を特にやってるわけではない。
A それまでのスキルや業務がまったく評価されないわけでしょ。それを反映させないのはおかしいじゃないですか。なんで新卒と同じ試験なんですか。
塩田 非常勤職員は、あるこの業務として雇っている。だけど一般職員として採用する場合は異動がある。そこのスキルだけでは職員の一般的な能力を判断できない。
C 常勤職員だからといって必ずしも配置転換があるってわけではないですよね。
塩田 もちろんそうです。だけど一般職員としてはそういう前提で。
A たとえば阪大でやるような、スキルとかそれまでの実績を入れた登用制度について京大はどうなんですか。いまの登用制度は問題ない?
塩田 いまはまだその議論は…。
A 今後は?
塩田 するかしないかってことは、いまのところは何も言えない。
A 何も言えない? 総長は中間の職を作るみたいなことを言ってましたよね。
塩田 ああ、そうそう、それはやってます。議論はやってます。
A 人事制度検討会で?
塩田 そう。
A それは研究職ってことですか。
塩田 いま制度設計考えてるんですけど、教員と職員の間で、研究教育の支援なんかをする、そういう職種を考えています。
非正規の実態調査を!
5年条項を押しつける前に、まずは現場の労働環境や生活実態について詳しい調査を行うべきであると要求。
C 去年の9月に厚生労働省が初めて実施した実態調査で、派遣、契約社員、パートなど非正規雇用者の約4割が正社員並みの仕事をしているっていう報告があるんですね。それで、非正規雇用の8割が年収300万円以下と回答していて、企業が非正規労働者を正社員の代償として低賃金で活用している現状が浮かび上がっているという、こういう調査があるんですけど。
塩田 ただね、非常勤職員の方は、常勤職員に比べて責任とか権限が少ない。
C ただ言葉の上だけで臨時的、補助的であるという話を聞かされても、こういう統計が現実に出ている以上、納得できないですよ。8割の非常勤職員によって図書館が維持されているような状態は、臨時的であるとかテンポラリーであるとかいう説明では到底説明できないんじゃないですか。誰が見ても客観的に納得できるデータを、雇用者の責任として提出する任務があるんじゃないですか。
塩田 それはね、基本的にはそういう趣旨で、臨時的な仕事についてもらうという形で雇っていると。そういうことは前提条件。
C だから実態としては乖離しているわけですよね。そこをそうじゃないんだと言うのであれば、ちゃんと実態調査して、だから臨時的なんですってことは示さないと。
塩田 どういう調査?
C たとえば厚生労働省と同じ項目で作ればいいじゃないですか。
A あと生活調査も。働いている非常勤職員が家計補助的なのか、家計維持的なのか、それだけでも実際どのくらいの割合か、全然調査してないわけでしょ。
B 男女比なんかも出して頂くと。男女共同参画の考えからいってもね。
C 正規職員として働いている30代男性は6~7割ぐらい結婚できてるけど、非正規労働者は3割ぐらいしか結婚できてないとか。やる気になればいくらでも調べられるわけですよね。
A 調査約束してくださいよ。それぐらいはやってくださいよ。
塩田 それじゃあの…検討します。どういう形でどういう調査が可能かどうか。ご希望は聞きました。
C ぜひお願いします。
B 臨時的であるっていう話は、建前と実態がやっぱりズレているっていうご認識なんですね。
塩田 ズレてるってことは言ってないですよ。だから臨時的、補助的な業務として雇用してますということ。
A ちょっと待って。実態調査してないんでしょ。
塩田 だから、実態とズレてるかどうかっていうのは答えられない。
A 答えられない。実態調査したことはない。
B 実態は分からないけどそういうふうにおっしゃってるって理解でいいんですか。
塩田 そういう建前で、われわれは雇ってもらってるという。
by unionextasy
| 2010-02-20 10:01
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