2009年 11月 11日
"お互いもっとええことに金を使え"
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判決の内容は、「クスノキの下を明け渡せ」というものでした。もう明け渡しているのに明け渡せとはこれいかに、というわけで、どう考えても腑に落ちないので、専門家に聞きにいくことにしました。
京大の先生は敵方とつるんでいる可能性が高いので、近くの大学まで自転車をこいでいきます(京都という町は、狭い範囲に専門家が密集していて、こういう時すぐ聞きに行けるのが便利です)。
むかし学生会館のあった建物はすっかり様変わりしていて、ハウステンボスのようでした。
「占有移転禁止仮処分と当事者恒定効」という論文を書かれたこともある民事訴訟法の大家(仮にF先生としておきます)にお会いして、ひと通りの説明をすると、うーん、と唸ったきり「考えたこともない事案ですねえ…」「占有していない状態…いわば大学に返っている…それ以上何を明け渡すことがあるのか…」と考え込む様子。
「本来の訴訟の意味がないというか…」「(クスノキの下に)また戻ってくるのを防ぐということはあるかもしれないが…」「このさい組合を徹底的に叩いておくということか…」などと、ひたすら考えています。
仮に控訴審で争うとしたら?と訊くと、「訴えの利益はあるのかもしれないが、請求が認容されないのでは」ということで、「土地は既に返したし、もしそうでないと言うならこのさい返還する、本案での土地の明渡請求権は土地を明け渡したことによってなくなっている」というようなことになるんですかねえ、という返事。
控訴するには一審の1.5倍の印紙代、すなわち26万円ほどかかります。
本人訴訟の限界ということもあって(後になって考えれば、クスノキの下を明け渡した時点で、仮処分に異議を申し立てるというやり方もあったと思います)、弁護士さんに頼んだり、日弁連の法テラスから借金をして争うことも考えましたが、今は(本筋である)もうひとつの裁判に集中しよう、ということになりました。
F先生も、最後に、「それにしてもやる気の出ない裁判ですよねえ」「(大学も組合も)お互いもっとええことに金を使えという気がしますが」とおっしゃいました。
というわけで、控訴はしません。(unagi)
p.s. 週刊金曜日(11/6号)に「京大非正規職員雇い止め スト決行で奇妙な判決」、人民新聞(10/25号)に「『雇い止め反対』と『語り合い』の場」という記事がのりました。
京大の先生は敵方とつるんでいる可能性が高いので、近くの大学まで自転車をこいでいきます(京都という町は、狭い範囲に専門家が密集していて、こういう時すぐ聞きに行けるのが便利です)。
むかし学生会館のあった建物はすっかり様変わりしていて、ハウステンボスのようでした。
「占有移転禁止仮処分と当事者恒定効」という論文を書かれたこともある民事訴訟法の大家(仮にF先生としておきます)にお会いして、ひと通りの説明をすると、うーん、と唸ったきり「考えたこともない事案ですねえ…」「占有していない状態…いわば大学に返っている…それ以上何を明け渡すことがあるのか…」と考え込む様子。
「本来の訴訟の意味がないというか…」「(クスノキの下に)また戻ってくるのを防ぐということはあるかもしれないが…」「このさい組合を徹底的に叩いておくということか…」などと、ひたすら考えています。
仮に控訴審で争うとしたら?と訊くと、「訴えの利益はあるのかもしれないが、請求が認容されないのでは」ということで、「土地は既に返したし、もしそうでないと言うならこのさい返還する、本案での土地の明渡請求権は土地を明け渡したことによってなくなっている」というようなことになるんですかねえ、という返事。
控訴するには一審の1.5倍の印紙代、すなわち26万円ほどかかります。
本人訴訟の限界ということもあって(後になって考えれば、クスノキの下を明け渡した時点で、仮処分に異議を申し立てるというやり方もあったと思います)、弁護士さんに頼んだり、日弁連の法テラスから借金をして争うことも考えましたが、今は(本筋である)もうひとつの裁判に集中しよう、ということになりました。
F先生も、最後に、「それにしてもやる気の出ない裁判ですよねえ」「(大学も組合も)お互いもっとええことに金を使えという気がしますが」とおっしゃいました。
というわけで、控訴はしません。(unagi)
p.s. 週刊金曜日(11/6号)に「京大非正規職員雇い止め スト決行で奇妙な判決」、人民新聞(10/25号)に「『雇い止め反対』と『語り合い』の場」という記事がのりました。
by unionextasy
| 2009-11-11 22:53
| 活動記録